お知らせ

【地域支援部】令和5年度西北地区特別支援連携協議会第2回運営協議会並びに研修会が開催されました。

 令和6年1月11日(木)に令和5年度西北地区特別支援連携協議会第2回運営協議会並びに研修会を開催しました。第1部の運営協議会では、一年間の本協議会の活動報告として、相談支援事業「ねっと!ひまわり」の活動報告等を行いました。また、次年度の活動予定も承認していただきました。また、今年度の巡回相談員制度の報告では、西北教育事務所の原指導主事から「指導者の接し方や指導が変わることにより、児童に変容が見られた。」「年齢が上がることで変化が見えにくくなるので、より早い段階での支援要請をしてほしい。」という話がありました。

 参加者同士の情報交換を目的とした名刺交換タイムでは、2市5町の保健師さんとのやりとりや教員同士のやりとりなど、お互いに気になる情報について意見交換されていたようです。

 第2部の研修会では、青森県教育庁学校教育課特別支援教育推進室の島津裕子指導主事から『特別支援教育の最新動向?!』というタイトルで講演をしていただきました。平成19年の「障害者の権利に関する条約」に日本が署名してから平成26年に締結されるまでの7年間をかけてインクルーシブ教育システムを構築するための法整備が行われていたこと、教育振興基本計画が令和5年6月16日に閣議決定されたので、青森県の計画も改定する必要があることを話していただきました。今回の島津先生のお話を聞き、今後も、本地区連協は、障害者権利条約の重要概念である『Nothing About Us Without Us(私たちのことを私たち抜きに決めないで)』を中心におき、当事者とその家族を中心におきながら活動を進めていきたいと思いました。

 開催当日は、雪の中お集まりいただきありがとうございました。来年度も事務局一同本協議会の運営を一生懸命頑張ります。今後ともよろしくお願いいたします。

              

オンライン研修会のご案内

下記研修会がオンラインで行われます。
ご興味のある方は、下記から、パンフレットをダウンロードし、申し込みしてください。
なお、締切が9月8日までとなっております。

主催 独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所

令和5年度 特別支援教育推進セミナー 
「地域におけるインクルーシブ教育システムの推進-共に学び、共に育つ教育」 
北海道・東北ブロック

日時 令和5年9月15日(金) 13時~17時

特別支援教育推進セミナー(北海道・東北ブロック)

令和5年度西北地区特別支援連携協議会研修会開催!

 令和5年7月25日(火)、つがる市生涯学習センター「松の館交流ホール」にて、令和5年度西北地区特別支援連携協議会研修会が行われました。
 研修会は、公認心理師の西澤東先生を講師に招いて、【子どもの「今」を捉える諸検査のガイダンスとWISCーⅣの活用について】と題して講話をしていただきました。
         
 西澤先生は、弘前地区の小学校で発達障害のある児童の指導に長く携わってこられました。当日は、小学校6年生に行った授業「字をうまく読めない人はどんな辛さがあるのか」を再現してくださり、参加者全員が生徒となって困難な状況を確認することができました。また、西澤先生は会場内を所狭し・・・と移動しながら、配付資料に掲載されている項目以外の、これまでの経験に基づく具体的な実践例を数多く、そして熱く紹介してくださいました。
 ・個に配慮しすぎると全体が崩れる。焦点化した授業が大切。
 ・WISCーⅣの4つの指標の結果を「授業の工夫」につなげていく。
 ・その子が活躍できる場面を作り、授業を工夫していく。
 ・きれやすい子どもへの対応時、自分が冷静でいることが大事。
 ・きれやすい子どもを見ているときの 自分の「まなざし」が大切。否定的な目で見ていないか・・・。
  慈しみのまなざしでしっかりと向き合おう。そうすると周りの子どもも変わってくる。

 ・・・というように、今後の実践に役立つ内容が満載の有意義な時間となりました。
        

 また、休憩時間には参加者同士が気軽に情報交換を行うための「名刺交換タイム」を設けました。会場各所で多くの参加者が談話する様子が見られました。
 
 今回の研修会には、森田養護学校職員の他、西北地区の保育園・小・中・高等学校職員、各市町村教育委員会、保健師、福祉関係者など、子どもの発達支援、教育、療育にかかわるたくさんの方々が参加しました。参加者の皆様にとって実りある研修であったと思います。
 猛暑の中参加いただきまして、ありがとうございました。

令和4年度西北地区特別支援連携協議会第2回運営協議会並びに研修会

112日、令和4年度西北地区特別支援連携協議会第2回運営協議会並びに研修会が開催されました。

運営協議会には関係各位38名が参集し、令和4年度事業報告並びに令和5年度活動計画(案)の審議を行いました。令和4年度の活動を踏まえて、5年度も同様に活動を進めることを確認しました。

運営協議会に引き続き、研修会が開催されました。

<研修会の報告>

研修会は「発達障害のある人たちへの各ライフステージにおける支援のあり方」と題して、松本敏治氏(教育心理支援教室・研究所ガジュマルつがる代表)と、今泉敬子氏(公認心理師)の2名が講演をしました。

松本氏は、スクールカウンセラーとしていくつかの学校を回る中で、子どもの変化を感じているとし、子どもたちを3つの軸(神経発達障害の特性、知的水神、二次的問題・愛着障害)で見る必要があるとしました。このうち、「特性」と「障害」は別であり、「特性(診断)」があっても、年齢や環境によっては生活上で大きな問題にならない場合もあるので注意が必要としました。また、発達障害による二次障害については、2つのタイプがあることや関わり方による「相互作用」でより激しくなることなどを指摘しました。このような「発達障害」のある幼児児童生徒が示す行動上の問題や、その他の社会的な不適応の背景に、「愛着障害」の問題があるとして、今泉氏から講演がありました。

今泉氏は、公認心理師として乳幼児検診の現場にも関わっており、その感想として、子育て環境の変化によって健全な「愛着形成」が成立しにくくなっていること、アドバイザーとして保健師に頑張ってもらいたいことをお話しました。用語の整理として、「愛着(アタッチメント)」とは子どもが養育者との間にある生理的つながりを基盤とした情緒的つながりのこと、「内的ワーキングモデル」とは愛着対象との相互交流を通した自己への信頼と他者への信頼感に関わる自己と他者の関係についてのモデルであるとし、生後1年でタイプは決まるとしました(演習として自分自身のタイプを自己チェックしました)。その後、愛着の形成過程や形成失敗のモデルを示しました。さらに、「内的ワーキングモデル」による。アタッチメント4タイプ(安定型、回遊型、アンビバレント型、無秩序・無方向型)を示し、各々がそれぞれの愛着パターンを持って人と関わっており、この関係性のずれで悪化が生じるとしました。さらに、DSM-Vによる愛着障害の行動の特徴、人格障害との関連、愛着関係の評価、愛着の機能分析などを丁寧に解説しました。愛着障害の3大特徴は、①愛着欲求行動②愛情試し行動③愛情欲求エスカレート現象として、これらの行動は、神経発達障害で現れる行動に似ている部分もあるため、間違ったアドバイスや対応をしてしまうことがあると指摘しました。子どもへの支援に当たっては、「愛着障害」への対応も踏まえる必要があるとしました。

まとめとして、松本氏は、日本の子ども達が置かれている状況について、他国との比較から示し、精神的幸福度や社会的スキルが低いこと、貧困による学習上の課題(教育機会の喪失)などの問題点を指摘しました。最後に、友達を作ることが出来ず、相談する人もなく、様々なつながりや学ぶ機会を奪われ、幸せを感じられない子供達に対して、私たちが出来ることを提示しました。

今回の研修会には、森田養護学校教職員の他、西北地区特別支援連携協議会運営協議会に参加した西北地区の小・中・高校、各市町村教育委員会、保健師、福祉関係者など、子どもの発達支援、教育。療育に関わる方々が多数参加しました。発達障害への支援は考えていても、愛着障害に関する知識や発達障害との関係については十分に理解されていない状況下での講演は、それぞれの参加者にとって得ることが多かったのではないかと思います。
開催当日は、雪道の中お集まりいただき、また感染症対策にご協力いただきましてありがとうございました。

令和4年度西北地区特別支援連携協議会研修会開催

令和4年7月26日(火)つがる市生涯学習センター「松の館交流ホール」にて、令和4年度西北地区特別支援連携協議会研修会が行われました。折から新型コロナウイルス感染症急拡大となりましたが。防止対策を講じての開催となりました。

 研修会は「発達障害のある幼児児童生徒への支援の実際」をテーマとして、幼児期・小学校期・中学校期、それぞれの段階に応じた支援の実際を、現場で直接指導している先生方から講演してもらいました。

幼児期は、児童発達センターやまぶき園 言語聴覚士 成田光順氏(西北地区エリアアドバイザー)が講演しました。幼児期の対応はことばの面からの不安感からの相談が多いこと、ことばの発達や愛着関係、指導場面での対応など、実際の例を交えてお話しされました。ことばの発達の重要性や支援方法の多様さなどを改めて確認できまし
た。

 小学校期は、弘前大学教育学部附属学校園学習支援室 中村修氏が講演しました。中村氏は、これまでの支援で関わった子供の様子から、全体的に「不器用な子供」が増えていること、発達性協調運動症への対応、ビジョントレーニングのあり方、原始反射など、実際の映像を交えてお話しされました。子どもの支援に向けて、これらの「発達」の視点を持つことで、支援の幅が広がることを感じました。

中学校期は、弘前大学教育学部附属学校園学習支援室 白石公揮氏が講演しました。白石氏は、中学期の課題の特徴や2つの認知処理特性に応じた指導のあり方、それらをふまえた実際の指導事例をお話しされました。中学校期では特に学習面での課題解決が求められることや、そのために校内でどのように連携をすればよいのかを具体的に考えることができました。

今回の研修会には、森田養護学校教職員の他、西北地区の小・中・高校、各市町村教育委員会、保健師、福祉関係者など、子どもの発達支援、教育。療育に関わる方々が多数参加しました。発達段階に応じた講演は、それぞれの参加者にとって得ることが多かったのではないかと思います。開催当日は、猛暑の中お集まりいただき、また感染症対策にご協力いただきましてありがとうございました。